レチノールは「シワ改善」効果が厚生労働省に認められた美容成分として、2025年現在も注目を集め続けています。しかし、使い始めると赤みや皮剥けといった「A反応(レチノイド反応)」に悩まされる方も少なくありません。
この記事では、レチノール反応が出た時の正しい対処法と、症状を和らげるおすすめの保湿剤を徹底解説します。A反応は決して悪い反応ではありませんが、適切にケアすることで肌への負担を最小限に抑えながらレチノールの効果を最大限引き出すことができます。
Contents
レチノール反応(A反応)とは何か
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A反応の基礎知識
レチノール反応(A反応、レチノイド反応)とは、レチノールやトレチノインなどのビタミンA製品を使用した際に起こる一時的な肌の副反応です。ビタミンAが不足した肌に急速にビタミンAを補給することで、肌のターンオーバーが活性化され、様々な症状が現れます。
これはアレルギー反応ではなく、肌が良い状態に向かっている過程で起こる正常な反応です。肌がビタミンAに慣れていくことで、症状は徐々に治まっていきます。
A反応が起こるメカニズム
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A反応が起こる主な原因は以下の3つです。
| 原因 | メカニズム | 結果 |
|---|---|---|
| 受容体の不足 | ビタミンAが不足している肌はレチノール受容体も少ない。過剰なレチノールが細胞外にあふれ刺激となる | 赤み・炎症 |
| 皮脂分泌の抑制 | レチノールが皮脂分泌を抑制し、肌の保湿機能が一時的に低下 | 乾燥・皮むけ |
| ターンオーバー促進 | 表皮細胞の分化・増殖が促進され、細胞間の接着が弱まる | 皮膚の薄化・敏感化 |
レチノール反応(A反応)の代表的な症状と見分け方
典型的なA反応の症状
赤み・ほてり
レチノール塗布部位が赤くなり、炎症を起こしたような状態になります。症状が強い場合は、火傷のように赤く腫れぼったくなることもあります。
乾燥・皮むけ
皮脂分泌が抑制され、肌の水分保持機能が低下します。ターンオーバー促進により古い角質が剥がれやすくなり、ポロポロと皮がむけたり粉を吹いたような状態になります。
ヒリヒリ感・かゆみ
特にレチノール塗布直後にピリピリとした刺激を感じやすくなります。肌が敏感になっているサインです。かゆみがある場合は、掻かないように注意しましょう。
ニキビ・ブツブツの一時的増加
ターンオーバー促進により、毛穴の中に詰まっていた皮脂や老廃物が表面に押し出されます。これは肌の浄化プロセスであり、使用継続で改善していきます。
A反応とアレルギー反応の違い
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| 項目 | A反応(レチノール反応) | アレルギー反応・接触皮膚炎 |
|---|---|---|
| 発症時期 | 使用開始後1日〜1週間 | 使用後数時間〜数日 |
| 症状の経過 | 使用継続で徐々に軽減(1〜2週間、長くて2ヶ月) | 使用継続で悪化する |
| 症状の特徴 | 赤み・乾燥・皮むけ・軽度のヒリヒリ感 | 強いかゆみ・水ぶくれ・じゅくじゅくした湿疹 |
| 対処法 | 使用量・頻度の調整で継続可能 | 即座に使用中止が必要 |
以下の症状がある場合は使用を中止し、皮膚科を受診してください
- 水ぶくれができる
- じゅくじゅくした湿疹が出る
- 激しい痛みを伴う
- 1ヶ月以上症状が続く
- 日常生活に支障が出るほどの不快感がある
レチノール反応(A反応)が出た時の正しい対処法
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症状の程度別対処法
軽度のA反応(軽い赤み・軽度の乾燥)
使用頻度を調整する
毎日使用している場合は、2〜3日おきに変更します。肌の様子を見ながら段階的に頻度を上げていきましょう。
- 1週目:月・木(週2回)
- 2週目:月・木・土(週3回)
- 3週目以降:隔日または毎日
使用量を減らす
パール粒大を目安に、現在の使用量の半分程度に減らします。多く塗れば効果が高まるわけではありません。
保湿を徹底する
A反応中は肌のバリア機能が一時的に低下しています。高保湿の化粧水・美容液・クリームで念入りに保湿しましょう。
中等度のA反応(強い赤み・明らかな皮むけ)
レチノールを一時休止する
1〜3日間レチノールの使用を中止し、肌を休ませます。症状が落ち着いたら、より低い頻度・濃度から再開しましょう。
保湿と鎮静ケアに集中
セラミド、ヒアルロン酸、グリチルリチン酸ジカリウムなどの成分を含む製品で、保湿と炎症抑制を行います。
冷却する
ぬるめのシャワーや冷たいタオルで軽く冷やし、熱感を落ち着かせます。その後、低刺激の保湿剤でしっかりうるおいを与えます。
重度のA反応(耐えがたい赤み・ひどい皮むけ)
レチノールを完全に中止する
肌のバリア機能を回復させるケアに切り替えます。症状が完全に治まってから、より慎重に再チャレンジしてください。
シンプルなスキンケアに戻す
セラミドやワセリン(プロペト)が配合されたシンプルな保湿ケアに専念します。刺激の強い製品は避けましょう。
皮膚科を受診する
症状が改善しない場合は、非ステロイド系抗炎症剤など医師による治療が必要な場合があります。自己判断せず、専門医に相談しましょう。
レチノール反応(A反応)中におすすめの保湿剤と選び方
保湿剤選びの3つのポイント
高保湿成分を配合している
セラミド、ヒアルロン酸、ヘパリン類似物質、グリセリンなど、水分保持力の高い成分が配合されているものを選びましょう。
低刺激・シンプル処方
アルコール、香料、着色料などの刺激成分が含まれていないものが理想的です。敏感肌向けの製品がおすすめです。
抗炎症成分を含む
グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、トラネキサム酸などの抗炎症成分が、A反応による赤みを和らげてくれます。
おすすめの保湿成分と効果
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| 成分名 | 効果・特徴 | A反応への作用 |
|---|---|---|
| セラミド(特にヒト型セラミド) | 肌のバリア機能を強化し、水分の蒸発を防ぐ。細胞間脂質として肌の保湿に不可欠 | バリア機能低下を補い、刺激に対する耐性を高める |
| ヒアルロン酸 | 1gで6Lの水分を保持できる優れた保湿力。肌表面に水分の膜を作る | 乾燥と皮むけを防ぎ、レチノールの刺激を緩和するクッション役 |
| ヘパリン類似物質 | 医薬品にも使用される高い保湿力。血行促進作用もある | 角質層の水分保持を助け、乾燥による症状を軽減 |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 医薬部外品として認められた抗炎症成分。甘草由来 | A反応による炎症・赤みを鎮静化 |
| ナイアシンアミド | ビタミンB3。バリア機能強化とコラーゲン産生促進 | レチノールとの相性が良く、刺激を緩和しながら効果を高める |
タイプ別おすすめ保湿剤カテゴリー
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ドクターズコスメ
ゼオスキンヘルス「ハイドレーティングクレンザー」
クリームタイプの洗顔料。保湿力が高く、A反応中の敏感な肌をやさしく洗い上げます。セラピューティック期間中にも使用可能。
ガウディスキン「インナーモイストTAローション」(医薬部外品)
美白成分トラネキサム酸配合。A反応を抑える効果が期待でき、ヒト型セラミドによる高い保湿力を持ちます。
エンビロン「モイスチャークリーム1」
低濃度のレチノール誘導体配合。A反応が治まってきた段階で、保湿しながら穏やかにレチノールケアを続けられます。
市販の高保湿化粧水
選び方のポイント
- セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分が複数配合されているもの
- 敏感肌向けライン(キュレルなど)
- アルコールフリー・無香料・無着色
- 医薬部外品の抗炎症成分入り
保湿クリーム・バーム
重要なポイント
- ワセリン(プロペト):肌表面に保護膜を作り、水分蒸発を防ぐ
- セラミド配合クリーム:バリア機能を内側から補強
- 薬用クリーム:ヘパリン類似物質配合のものは医療現場でも使用される高保湿
化粧水・美容液で水分を与えた後、必ずクリームで蓋をすることが重要です。
レチノール反応(A反応)を予防・最小限に抑える使い方
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レチノール導入の7つのステップ
低濃度からスタートする
初めてレチノールを使う場合は、0.01〜0.03%程度の低濃度から始めましょう。パルミチン酸レチノールなどの誘導体はさらに穏やかです。
週1〜2回の使用から開始する
最初から毎日使わず、週に1〜2回の使用から始め、肌の反応を確認しながら徐々に頻度を増やします。
推奨スケジュール例
- 1〜2週目:週1回(月曜日のみ)
- 3〜4週目:週2回(月・木)
- 5〜6週目:週3回(月・水・金)
- 7週目以降:隔日または毎日
保湿後に使用する(サンドイッチ法)
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洗顔直後の肌にレチノールを塗るのではなく、化粧水や美容液で保湿した後に使用すると刺激が軽減されます。さらに、レチノールの後にもう一度保湿クリームを重ねる「サンドイッチ法」が効果的です。
使用量を守る
顔全体でパール粒大程度が目安です。多く塗っても効果は変わらず、刺激だけが強くなります。
夜のみ使用する
レチノールは紫外線に弱く、日中使用すると効果が低下します。また、肌のターンオーバーは夜間に活発になるため、夜の使用が理想的です。
徹底した紫外線対策
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レチノール使用中は角質層が薄くなり、紫外線に敏感になります。SPF30以上の日焼け止めを毎日使用し、帽子や日傘も活用しましょう。
他の刺激成分との併用を避ける
ピーリング剤(AHA、BHA)、スクラブ、高濃度ビタミンC、過酸化ベンゾイルなどとの同時使用は刺激が強すぎます。朝と夜で使い分けるか、レチノール慣れするまで併用を避けましょう。
レチノールと相性の良い成分・悪い成分
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| 相性 | 成分 | 理由・使い方 |
|---|---|---|
| 相性良い | ヒアルロン酸、セラミド | 保湿効果でレチノールの刺激を緩和。同時使用OK |
| 相性良い | ナイアシンアミド | バリア機能強化。レチノールの効果を高め、刺激も軽減 |
| 相性良い | グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用でA反応を和らげる。同時使用OK |
| 注意が必要 | ビタミンC(特に高濃度) | 朝にビタミンC、夜にレチノールと使い分ける。同時使用は刺激増大のリスク |
| 併用避ける | AHA・BHA(ピーリング剤) | 両方とも角質除去作用があり、同時使用は刺激が強すぎる。時間を空けて使用 |
| 併用避ける | 過酸化ベンゾイル | 強い刺激性。レチノール使用中は併用を避ける |
| 併用避ける | スクラブ、物理的角質除去 | 肌への物理的刺激が強すぎる。A反応中は特に避ける |
レチノール反応(A反応)に関するよくある質問
A反応が出たら使用を続けるべき?それともやめるべき?
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軽度のA反応であれば、使用量や頻度を調整しながら継続することをおすすめします。完全にやめてしまうと、再開時にまたA反応が出る可能性があります。
ただし、激しい痛みや水ぶくれなど重度の症状がある場合は、即座に使用を中止し、皮膚科を受診してください。
A反応はいつまで続く?期間の目安は?
一般的には1〜2週間で治まることが多く、長くても2ヶ月程度が目安です。
- 発症時期:使用開始後1日〜1週間
- 持続期間:平均1〜2週間、長くて2ヶ月
- 肌がレチノールに慣れると自然に軽減
1ヶ月以上症状が続く、または悪化する場合は、A反応ではない可能性があるため、皮膚科を受診しましょう。
A反応が出ない人もいる?効果がないの?
A反応が出ないからといって、レチノールの効果がないわけではありません。
A反応が出にくい人の特徴:
- 普段からビタミンAを含む食品を多く摂取している
- 以前からビタミンA配合化粧品を使用していた
- 肌のバリア機能が強く、角質層がしっかりしている
- 低濃度から段階的に濃度を上げた
A反応の有無に関わらず、レチノールは肌に作用しています。継続使用で効果を実感できます。
A反応が出やすい人の特徴は?
以下の特徴がある方は、A反応が出やすい傾向があります:
- 肌にビタミンAが不足している(紫外線を浴びる機会が多い、偏った食生活)
- 敏感肌・乾燥肌
- アトピー性皮膚炎や光線過敏症がある
- 初めてレチノールを使用する
- いきなり高濃度のレチノールを使用した
- 疲労やストレスが溜まっている
- 生理前などホルモンバランスが乱れやすい時期
該当する方は、特に低濃度・低頻度からの慎重な導入が重要です。
レチノール使用中に避けるべき美容施術は?
以下の施術は、レチノール使用中は避けるか、一時的に中断することをおすすめします:
- レーザー治療(脱毛、シミ取りなど)
- ケミカルピーリング
- ダーマペン・マイクロニードリング
- ワックス脱毛
これらの施術を受ける場合は、少なくとも施術の1週間前からレチノールの使用を中止し、施術後1週間は再開を控えましょう。詳細は施術を受けるクリニックに相談してください。
妊娠中・授乳中でもレチノールは使える?
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妊娠中・授乳中のレチノール使用は避けることが推奨されています。
高濃度のビタミンAは胎児への影響が懸念されるため、経口摂取だけでなく外用薬であっても注意が必要です。使用を検討する場合は、必ず医師に相談してください。
妊娠中・授乳中でも使用できる代替成分:
- ナイアシンアミド
- ビタミンC(適度な濃度)
- アゼライン酸
- ペプチド
まとめ:レチノール反応(A反応)を乗り越えて美肌へ
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レチノール反応(A反応)は、肌がビタミンAに慣れていく過程で起こる一時的な反応であり、肌が良い状態に向かっている証拠です。適切に対処することで、症状を最小限に抑えながらレチノールの素晴らしい効果を実感できます。
A反応対処法の重要ポイント
- 軽度のA反応は使用頻度・量を調整しながら継続可能
- 中等度以上は一時休止し、保湿と鎮静ケアに集中
- セラミド、ヒアルロン酸、グリチルリチン酸ジカリウム配合の保湿剤が効果的
- 低濃度・低頻度からスタートし、段階的に慣らしていく
- 保湿後に使用する「サンドイッチ法」で刺激を軽減
- 紫外線対策を徹底する
- ピーリング剤など刺激成分との併用は避ける
- 1ヶ月以上症状が続く、または悪化する場合は皮膚科受診
レチノールは、シワやシミ、毛穴など様々な肌悩みに効果が期待できる優れた成分です。A反応という一時的なハードルを正しく乗り越えることで、理想の美肌に近づくことができます。
焦らず、ご自身の肌と相談しながら、丁寧にレチノールケアを続けていきましょう。不安な症状がある場合は、自己判断せず皮膚科専門医に相談することをおすすめします。